肥満により顎の周囲、首周り、喉や舌も太くなる。そのため、気道が圧迫されやすく、狭くなり、いびきや閉塞の原因となる。
また酸素供給が不十分だったり、眠りが浅い場合は、脂肪を分解する働きをもつ成長ホルモン分泌が阻害される事もある。その成長ホルモンは、成人で1日あたり約300kcal(脂肪40g)を消費する脂肪分解能力を持つ。このホルモン分泌量がなんと最大70%OFF。つまり常人に比べて、ほんの3割のカロリー消費まで落ち込む(成長ホルモンによる消費が90kcal程度に。通常の運動などによる消費はほぼ変わらないはずだが。)。一ヶ月でおよそ1kg、脂肪の燃焼に差が出てくる。要するに、肥満になる→睡眠時無呼吸症候群になる→さらに肥満になる→睡眠時無呼吸症候群が悪化する→さらに……。
こういったループがあるため、暴飲暴食などは避けて、カロリーを考えて無闇に間食や甘い物を控える。酷く意識する必要は無いが、ダイエット意識が必要である。適度に運動し、またダイエットにありがちな偏食や拒食を避け、栄養補助的にサプリメントを活用するのもよい。
L-カルニチンサプリメント
「対策:適切な減量」
・アルコール
アルコールは血管を充血させる。そのため気道の粘膜が膨張する。鼻が詰まった状態に近くなりやすい。また筋弛緩を誘発するため、気道が閉塞する。そのためいびきを誘発させやすく、当然SASにも悪い影響が出やすい。出来るだけ寝る時間に近い飲酒を避ける。
特に寝付きやすいという事で、寝酒を好む人がいるが、夜中に利尿作用によってトイレ起き、他にも水分不足や蒸し暑さで目覚めたりしやすくなる。結果的に悪影響を及ぼすので注意が必要。酒は百薬の長ともいうが、いかなる薬も摂りすぎて良いことは無い。
「対策:節制」
・睡眠薬などの薬物
筋弛緩系、睡眠薬系、精神安定剤系などは筋肉を弛緩させやすい作用を持つ物が多い。そのためのどの肉が弛緩し、結果として気道が閉塞しやすくなる。特に誤解されやすい点だが、原理的には深い眠りを得れば日中の眠気は取り除けるが、深い眠りによっても筋肉の弛緩が起きる。そのためSASが顕著な人はより強い症状を引き起こす可能性が高まる。つまり睡眠薬などでは決して解決しないどころか、悪化の要素にもなる。
「対策:服用の中断、医師との相談(医師は自分の分野以外を知らない場合もあるので注意)」
・鼻づまり
蓄膿、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症など、鼻の病気は鼻の通りが悪くなる。睡眠時や習慣化された口呼吸はいびきを誘発させやすい。
「対策:耳鼻科で鼻の病気と並行して、睡眠時無呼吸症候群の相談をする」
・のどの異常
扁桃腺、のどちんこなどが生まれつき、炎症や肥満で大きい場合。気道が狭くなり、閉塞やいびきの発生につながります。なお、痩せ型の人でも扁桃腺が大きめの人もいるので注意が必要。
「対策:医師と相談、手術で切る、炎症などを抑える、減量する」
・先天的な骨格や、年齢的なもの
顎の骨格や形態によって発生する可能性が高くなる場合もある。また加齢とともに筋力が低下し、筋弛緩による閉塞が発生しやすくなる。
「対策:医師に相談など」