診断を受けてから、適した治療法を提案される。主なものは以下の通り。
・マウスピース(歯科装具)
就寝時に付ける。マウスピースによって、下あごを少し前へずらす事が出来る。これによって気道が広く確保出来る。ただし効果を得られるのは主に中度までと言われる。重度の場合は効果が薄い場合もあると言われる。
また副作用として、顎の痛みやずれた感じが不快感に繋がる事もある。多少の費用や身体的な負担は覚悟しなければならない。
・CPAP(読み方:シーパップ)(日本語名では経鼻的持続陽圧呼吸だが、通称はシーパップか鼻マスクなどと呼ばれる。)
就寝時に付ける。鼻にマスクをつけ、持続的に空気を送り込むことで気道を確保する。慣れないと寝苦しくなり、利用者の一割ほどは寝苦しさに負けて辞めるらしい。鼻づまりがあると効果が薄いので注意が必要。
閉塞の状況を機械が判断して、圧力を自動で調整してくれる。例えば寝てる間に呼吸が安定していると睡眠を妨害しないよう圧力が弱くなる。自動調整せずに一定の陽圧を送り続けるものもある。
副作用として、きちんとマスクをつけないなどで空気が漏れると、鼻の周辺を酷く乾燥させる事もある。マスクと皮膚の接地面が荒れる事もある。また口を開け寝てしまうと口内の乾きが酷くなる。そして機械による自動判断が間違う場合もある。
多くの人がマスク装着について、ダースベイダーと言う。
ここだけの話、たまに起きてからしばらくゲップや屁が出やすくなる時がある。また空気が身体の下までいきついたせいか、特に心当たりが無いのにう*ちがかちかちになる時がある。
・外科手術
SAS対策として閉塞する部分を切除する。小児の場合の大半は扁桃腺肥大が原因らしいが、成人の場合は問題となる部位が特定しづらい。複数の原因が出来てしまっているなどで、闇雲にのど周辺を切っても良くなる確率はあまり高くない。手術をすればすぐに治ると思って希望する患者が結構いるが間違い。大体医者から効果が薄いと教えられる。あくまで後回しにするべき選択。
ただし直接的なSAS対策の手術ではなく、例えば鼻炎など別の原因によって「鼻づまり→SAS悪化」といった人や、CPAPを利用するために鼻づまりを治す人には、鼻の手術が必要になる場合もある。
ちなみに鼻の手術もいくつかあり、「切る」手術では入院が必要だが、レーザー手術なら日帰りで可能など、自分の生活スタイルに合わせた手術が可能。ただレーザー手術をした場合は粘膜の再生が早いと言われ、再手術の必要性も高いと言われる。運がよければ一生ものだが、1年くらいすると再生して再手術の場合もある。そして手術から一週間ほどは鼻水が大量に出る。その後は快適になる。
・気管切開
相当な重度の場合に行うこともある。のどを直接開いて、相応の処置を施し、のどから直接空気を取り入れるようにする。毎日の消毒など、ケアが難儀。はっきりいってここまで重度になる前に色々あると思う。