SASの特徴や原因や問題

特徴


・日常的な眠気と倦怠感を感じ、頭痛や不安定感などが続く。重症となるとかなり日常生活にハンデが発生する。集中できない、記憶力低下、居眠りなど。
・いびき、急にいびきが止まって荒い呼吸にかわる(自覚できない場合が多い)
・肥満の人に多い。SAS患者は、欧米系だと8割、アジア系だと6割が肥満。アジア系は骨格が原因になることも。
・子供や若年層に比べるとかなり成人に多い。特に50歳を過ぎると多い。
・寝たのに寝足りない。寝ても一向によくならない。

原因


・睡眠中に起きる筋弛緩により、舌根や軟口蓋が下がり気道を閉塞する(要するにのどに舌が詰まって過度のいびきになり、その勢いで呼吸が止まる。のどの上部などの力が抜けて垂れ下がり、のどが閉塞、もしくは狭くなるなど。)ことが主な原因である。。
・のどが詰まりやすいのは、特に肥満が原因の場合がある。また鼻づまりで習慣的な口呼吸やいびきがあると、成人前後で発症することがある。
・扁桃腺やアデノイドの肥大(のどの奥がはれるなど)があると、体型に関係なく起きやすくなる。アジア系は顔の奥行きが浅いため、欧米人に比べて発症しやすい。

問題点


睡眠時に呼吸が止まる事によって、体内に酸素が送られないため、酸欠のような状態になる。特に重要な脳に酸素が送られないため、脳の血管や機能に障害が発生しやすくなる。そのため熟睡時でも、脳が目覚めて身体に起きるように命令が行く。

身体は熟睡時に弛緩しているため、脳の命令を受けて筋肉が動き、そこでやっとのどの閉塞が解放される事になる。この熟睡から浅い眠りor覚醒が夜中に何度も起きるため寝不足になる。

このような事が毎晩繰り返されると、毎日の疲れが蓄積されたり、血管や内臓など重要な器官に徐々に障害が蓄積される。高血圧から心不全や脳不全まで、可能性としてはかなりの合併症が出る。それがつもり重なると、ある程度の年齢で大きな病気が発症しやすくなったり、若い間でも日中の重要な時に不注意を起こしたり、耐えがたい眠気によって事故を起こす可能性がある。また、突然死や増加する居眠り交通事故の原因とも言われている。

なお、日本ではこの病気の認知が低いため、SASで事故を起こした人の判決が無罪になった。病気について広く一般に知れ渡っていない、本人がその病気を知らないため(おそらく周囲の人間も)結果に対する責任を負えない。この判決以降、認知は広まったが一方では治療への啓蒙が足りない。アメリカのように国を挙げて取り組んでいるまでいかない。(治療施設が人口比で1%前後しかない?)
posted by ドサ健 at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | SAS定義/解説

定義/症状の度合

定義(睡眠時無呼吸症候群だと診断される条件)


通常の夜間睡眠時(6〜7時間を想定)に、無呼吸が30回以上ある。
(無呼吸とは10秒以上の呼吸停止:長い人は60秒停止などになる)
また「低呼吸」も含む。低呼吸とは、呼吸による空気の取り入れが50%以上低下した状態が10秒以上継続する事。
*一般的に強く症状を感じる人の場合、1時間に30回を超える無呼吸が発生すると言われる。

無呼吸・低呼吸指数が5以上。(無呼吸・低呼吸指数=AHIと略する。)
AHI=5、とは1時間あたり5回以上の無呼吸or低呼吸発生のこと。
(無呼吸や低呼吸で酸欠状態が続くと、血液中の酸素飽和度が4%以上低下しやすい。)

またそれが入眠初期(寝入り)とレム睡眠期(目が動いて、夢を見ている睡眠期)だけに集中したものではない事。

症状の度合


・軽度…AHI(無呼吸指数)=5〜15
日常生活に支障があまり出ない、たまに眠くなったり頭がぼーっとする程度。と思う。

・中等度…AHI=15〜30
しばしば眠くなり、特に読書や会議や食後は普通の人より眠くなりやすい。日常生活にところどころ影響が出る。中年以降は悪化や合併症の心配がある。事故や合併症での死亡率が少し上昇する。

・重度…AHI=30〜45
日常生活に不便を感じる。身体的、頭脳的な低下を感じることもある。大事な時に眠気を感じ、身体や他人からの評価で損失が発生する率が上がる。事故や合併症での死亡率が上昇する。

・最重度…AHI=45〜
日常生活に危険を伴う場合がある。慢性的な疲れや動悸息切れ等。突発的な眠気の頻度があがる。身体や精神、社会的評価に致命的な損失を被るリスクを持つ。事故率が高く、他人にも危険。事故や合併症での死亡率がかなり上昇する。5〜10年で死にやすい。

なお、SASが日常化すると疲れや眠気といった症状が出ていてもそれがままあること、普通だと感じ、危険と隣り合わせだという認識は特に強くない場合が多い。アメリカに比べSASの認知が相当遅れている(アメリカでは国を挙げて治療施設を増やしたり啓蒙をしている)ため、治療を受けずに不意な事故を起こす可能性があり危険。世間により広く公知しなければならない病気の一つだといえる。

ちなみに私の場合、AHIが多い時に60、血中酸素飽和度が85%ほどになります。
posted by ドサ健 at 15:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | SAS定義/解説